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1978年アルゼンチンW杯「リバプレートの紙吹雪」

1986年、メキシコ・ワールドカップでのアルゼンチンの優勝は、まだ2年半ばかり前の事。マラドーナをはじめ、彼らの素晴らしいプレーは、まだはっきりと頭に焼き付いているが、それと同じように忘れられないのは、10年前、1978年ワールドカップでのアルゼンチンの優勝。ケンペスのドリブルシュートや、アルディレスの突進などのフィールドのプレーにもまして、鮮烈な記憶になっているのが、スタンドの上段、中段から降った紙吹雪だった。あとで、一つ一つを見ると、新聞紙の切れハシであったりして、決してきれいではないのに、冬の青い空をバックにリバプレートに舞った紙吹雪の美しさは感動的でもあった。今、あらためて思えば、あの紙吹雪こそアルゼンチンの人たちの、ワールドカップへの長年のうっ積が込められたいたような気がする。
(サッカーダイジェスト1989年2月号より)

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