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1978年アルゼンチンW杯「アルゼンチンの伝統」

この時のアルゼンチン代表チーム。つまり、パサレラの剛毅、ガルバンの守り、オルギンとタランティーニの両サイドDFの攻撃、小さな身体の直線的なドリブルで一気に相手安備網に脅威を与え、ケンペスやルーケらのストライカーを生かすアルディレス、守備のうまいガジェゴ、右サイドをドリブルで崩したベルトーニと左サイドのオルティス。中央で相手CBをひきつけ、ケンペスのスペースをつくったルーケ、奇跡的なファインプレーを演じたGKフィジョール。二次リーグからは第二列に位置し、そのダッシュ力で世界のトップスターとなったケンペス。彼の一次リーグと異なった動きには、先輩ディ・ステファーノのアドバイスがあったとか。彼ら一人一人のプレーは、すべての市民の願いを背負っていたに違いない。
1978年6月25日。この日、世界一になったアルゼンチンは、ホームでの勝利だけでなく、他の土地で開催されるW杯で優勝し、彼らの王座を守るとともに“世界のサッカー国”の証明をしなければならなかった。この時の代表チーム候補に入っていて、大会直前に最終登録の22人のリストからはずされた中に若いディエゴ・マラドーナがいた。
(サッカーダイジェスト1989年2月号より)

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