賀川サッカーライブラリー Home > Stories > >82年スペインW杯 最も魅力的だったフランス

82年スペインW杯 最も魅力的だったフランス

 1950年代のコパとフォンテーヌの時代が華々しかったために、それから以後のフランス選手は、コパ・フォンテーヌ時代の“伝説”が頭にこびりつくようになる。

 70年代、若いプラティニやボッシやロシュトーたちは、58年の域に達した、達していない――といった評論とも戦いながら成長していく。
 82年のスペイン・ワールドカップでは、フランス代表は30歳のジレス、ラコンブを年長に、主力のプラティニ、ティガナ、ロシュトー、ボッシ、バチストンらは25〜27歳の安定期に入っていた。

 この82年大会は、最も技術が高く強いハズのブラジルが敗れ、そのブラジルを倒したイタリアが優勝したが、イタリアの優勝にはDFのファウルを見逃し続けたレフェリーに問題があったように思えた。したがって、この大会記録を見れば、イタリアと西ドイツが優勝を争ってはいるが、現地にいた私たち記者は、最も美しかったブラジル(2次リーグ敗退)と最も魅力的だったフランス(ベスト4)を最後まで残しておきたかったものだった。


(サッカーダイジェスト 1990年12月号「蹴球その国・人・歩」)

↑ このページの先頭に戻る