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南米チャンピオン9回
日本の半分の国土に、300万人が住み、そのうち150万人がモンテビデオに集まるこの国で、モンテビデオの人口が500万人を超えたばかりのころに、巨大スタジアムをつくり、ワールドカップを招致したサッカーへのエネルギーは、その後も絶えることはない。
1950年ワールドカップ・ブラジル大会で、ウルグアイ代表は、最終戦でブラジル代表チームを破って2度目の優勝。1954年、70年はベスト8、1986年も決勝トーナメントに進出した。
1917年に始まった南米選手権ではウルグアイ代表は26回の大会中アルゼンチンと並んで9回優勝という輝かしい成績。
1987年は70年の大会史上、初めて南米連盟加盟の10カ国が一堂に集結する新方式となり、アルゼンチンで開催され、マラドーナを中軸とする世界チャンピオン・アルゼンチン優勝との予想だったが、ウルグアイは準決勝でアルゼンチンを1-0で破り、決勝でチリを同じく1-0で倒して南米の王座についたのだった。
7月9日ブエノスアイレスのリバープレート・スタジアムで7万5000人の観衆を前にした準決勝はまことにタフで、南米的で、技巧的でアグレッシブだったが、ウルグアイの固い守りが、アルゼンチンの華やかな攻撃を押さえて、きわどい勝利を握ったのだった。
もともとウルグアイはサッカー・タレントの宝庫。1920年代から30年のワールドカップ優勝に活躍したホセ・レアンドロ・アンドラーデや、「統領」と呼ばれたホセ・ナサッシ。あるいはホセ・アンドラーデの甥で1950年に活躍したビクトル・ロドリゲス・アンドラーデらは、わたしには伝説となった。
(1987年 トヨタカッププログラムより)