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イタリア大会1次リーグ突破は?

 今度のイタリア大会では、1次リーグはグループCに入り、コスタリカ、スウェーデン、ブラジルと対戦するが、コスタリカ、スウェーデンにまず勝つことが第一。なかでもコスタリカ戦は、チームにとってW杯開幕戦だけに、高得点を挙げて、あとの試合の得失点計算を楽にしておきたいところだ。第2戦の相手、スウェーデンは、欧州第2組予選でイングランドが2試合とも0−0で引き分けた相手で“勝ちにくい”チーム。したがって、初戦のコスタリカ戦で高得点を挙げておくことは、心理的にも楽になる。

 選手のほとんどはイングランド・リーグの1部、スコットランドのプレミアリーグ(1部のこと)のプレーヤー。スコットランドのプレミアリーグは、現在、10チームで4回戦総当たり。質の高いゲームを多くという狙いのようだが、古い時代からグラスゴーの2強、レンジャーズとセルティック、それにアバディーン、ダンディー・ユナイテッドなどが強く、これらのチームは、欧州のカップ戦でもタイトルを狙う力を持っている。
 カップ、リーグのチーム数を少なくして、ハイレベルの試合を繰り返すという策は、いまのところ成果を上げているといえるだろう。今度のワールドカップは、スコットランドにとって、彼らがかつて本家のイングランドを凌ぎヨーロッパ・サッカーの先頭にあった輝かしい伝統をよみがえらせるチャンスでもある。ロブやハイクロスだけでなく、スコットランドの“ショートパス・サッカー”の復活を見たいものだ。


(サッカーダイジェスト 1990年5月号「蹴球その国・人・歩」)

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