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グラスゴーが中心

 FAの新しい統一ルールによるサッカーは、まずグラスゴー一帯に広まった。
 最初のフットボールクラブ「クィーンズ・パーク」は、この公園でプレーしていたYMCAのメンバーによって創られ、1867年に発足した。次いで「キルマーノック」が1869年に発足。このクラブははじめはラグビーをしていたが、その後、手を使わないサッカーに転向。しかし、長い間、グラウンドはラグビー場と称していた。

 各地にクラブができるのを見て、クィーンズ・パークFCが音頭を取って、FAカップの開催と協会(スコティッシュ)FAの設立を図る。世界で2番目に古いサッカー協会が、こうしてFAより10年あとに誕生した。
 リーグ戦がスタートするのは1890年だが、スタートと同時に、グラスゴーのレンジャーズ(1873年設立)とセルティック(1888年設立)も参加する。レンジャーズはプロテスタントの有力家族が、セルティックはアイルランドのカソリック教徒が集まったクラブ。この両チームは、グラスゴーというスコットランド最大の都市をバックに徐々に力をつけていき、スコットランド・サッカーのトップに立つようになる。

 首都であり文化・政治の中心地、エジンバラにはサッカーは少し遅れて入り、エジンバラ大学にサッカーチームができて(1878年)からはミドルクラスにも広まり、グラスゴーとはまた違ったタイプのサッカーが生まれた。


(サッカーダイジェスト 1990年5月号「蹴球その国・人・歩」)

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