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92年欧州選手権大会を目指して
Ｗ杯のベスト８で国民を沸かせたグリーン軍団は、92年の欧州選手権（スウェーデン）の予選突破を目指すことになる。第７組に入ったアイルランドにとって、イングランドが強敵。すでにホームでの試合は、トルコに５−０、イングランドに１−１と１勝１分け。何よりも、３月27日に予定されている、アウェーの対イングランド戦が大きなヤマとなる。
代表チームの好成績は協会の財政をも潤す。昨シーズンの決算では、100万ポンド（１億5,000万円）の黒字を生んだ。また、９月２日からスタートした90−91シーズンは、ガス会社がスポンサーとなり、対外試合で勝つことは、この小さなサッカー国にとってすべて好転につながる。
長い苦難の末に勝ち取った独立と同じように、さまざまなハンディキャップを乗り越えて、国際舞台に進出してきたアイルランドサッカーは、経済先進、スポーツ後進の私たち日本人に、サッカーでの“心”の大切さを語っているようだ。
（サッカーダイジェスト 1991年３月号「蹴球その国・人・歩」）