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1920年アントワープ・オリンピックでのベルギー優勝

 オランダなどと同様に、早い時期にサッカーが導入されたベルギーが国際舞台で光を放つのは、1920年のアントワープ・オリンピック。第一次世界大戦(1914−1918年)が終わって14ヶ国が参加、ヨーロッパ以外からはエジプトが加わった。

 ベルギーは1回戦は不戦勝で、2回戦でスペインを破り(3−0)、準決勝でオランダを倒して(3−0)決勝に進んだ。チェコとの決勝は激しい試合となり、ベルギーが2−0とリードしていたとき、ルイス主審(英国人)がチェコの選手を「退場」させたことから、チェコ・チーム全員が退去、試合は20分残っていたがチェコの失格となり、スコア2−0でベルギーの優勝となった。

 オリンピックの優勝はこのときだけで、国際舞台での華やかな活躍からは、しばらく遠ざかる。第一次、第二次の大戦で、ドイツの占領下となったことなども影響したし、また、プロ化へ移る(1970年代中期)のが遅れたこともあった。

 1970年W杯メキシコ大会の本大会出場、1972年ヨーロッパ選手権の3位獲得は、徐々に進歩を示してはいたが、欧州でベルギーが確かな地位を占めるのは1980年、ヨーロッパ選手権で準優勝してからだ。


(サッカーダイジェスト 1989年11月号「蹴球その国・人・歩」)

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