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1958年スウェーデンW杯「ペレ、世界にアピール」

 1956年、サントスFCのテストに合格したペレは、56年9月7日、対コリンチャンス戦でデビューする。次の年、クラブは彼と正式契約した。月給は3万円。1957年7月17日、16歳でブラジル代表となり、リオでアルゼンチンとの試合に後半から出場、1ゴールを記録(ゲームは1-1)した。次の1958年にはワールドカップのブラジル代表として、スウェーデンでの檜舞台で活躍する。
 この大会は世界各地域の予選を勝ち抜いた14チームと、前回チャンピオンの西ドイツ、開催国スウェーデンの合計16チームが参加。4チームずつ4組に分かれた1次リーグから8チームが残って、準々決勝、準決勝以降はノックアウト・システムの戦いだった。
 ブラジルは1次リーグ第4組に入り、相手はソ連、イングランド、オーストラリアの欧州勢ばかり。第1戦でオーストラリアを3-0と破り、第2戦はイングランドと引き分けた(0-0)。
 第3戦のソ連との試合に、フェオラ監督は17歳のペレと21歳のガリンシャという新顔を投入した。二人はゴールこそなかったが、ポストに当たる強シュートを打ち、ドリブルで攻撃を試みた。試合はババの2得点で2-0の勝利。ブラジルはベスト8へ進んだ。準々決勝の相手、ウェールズは頑健で当たりが強く、ブラジルが苦手とするタイプだが、ペレのゴールが決勝点となった。
 このウェールズ戦の得点は、右後方からジジがロブをゴールエリア近くへ蹴ったのを、ペレは右足で浮かせて自分の後方へ落とし、ボールが落下するとこを右足でボレーシュートした。それまで好プレーの連続でブラジルの攻めを防いできたGKケルセイも、ペレの妙技にはかなわなかった。

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