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代表チームからの引退

 こうしてブラジルは、ペレを軸に再び世界の王座に就くとともに、ジュール・リメ杯を3度、手にすることによって、この黄金トロフィーを永久に保持する栄誉を担った。
 代表チームの1人としてワールドカップに3度の優勝を果たしたペレは、代表から引退を表明した。ブラジル政府をはじめ、あらゆる団体や人々は、代表チームからのペレの引退に反対し、とどまるよう願ったが、ペレは自分のプライベートな生活、家族との生活を守るために決心を変えなかった。
 1971年7月11日、サンパウロのモルンビー・スタジアムでの対オーストリア戦が第1の引退試合となった。第2の引退試合は7月18日、相手はユーゴ、ところはリオのマラカナン・スタジアム。
 「フィカ、フィカ(やめないで)」の大合唱のなかで、ペレは花束を持って場内を一周した。自分が最高の時にやめたいーというペレは、代表チームからは思い通り引退した。しかし、サントスFCの現役プレーヤーとしての彼は、なお国内外にその素晴らしい技巧やシュート、戦術眼を披露し続ける。まだ30歳になっていないペレは、相変わらずサントスのシンボルであり、彼とサントスの試合は、この後3年余り続くことになる。
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