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サッカーから得た以上をサッカーに

 1992年6月の欧州選手権の時に、私はペレと会った。その時にも、彼が録画撮りの最中で、その部屋の前では、多くのカメラマンや取材関係者が待ち受けていた。50歳をすぎ、なお記者やカメラに取り囲まれるペレは、いまもマスメディアを大切にし、いつもきちんと対応する。
 コスモスのプレーヤーで来日した時も、ホテル・オークラでサインを求める子供たちを一列に並ばせ、皆にサインをする姿を見た。
 FIFAは、1984年に創立80周年を迎えるにあたって、世界のサッカーの功労者の表彰を行った。プレーヤー部門で第一に挙げられたのは、ペレだった。功労章を贈ったFIFAは、当時の会報で次のように記している。
 「ペレは20年もの間、その輝かしいプレーによって、世界中に勢いを与えた。彼は、フットボールの芸術を作り上げたが、そのボール扱い、視野、組立て、それに反射神経と直感力のいずれも、群を抜いていた。彼のゴールは、その名声を高め、その名声はまた、優しく、公平で、自分のクラブやチームに忠実な彼の人柄によって倍増された」
 「彼はフットボールのまたとない大使(使節)。フットボールは彼に多くを与えたが、彼は、それ以上に多くをフットボールに与えた」

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