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ブラジル全国選手権とその仕組み

 92年の全国選手権は1月26日に始まった。この国のシーズンも8月末からスタートし、年内の4か月でまず州の選手権、ついで州の代表による全国選手権に移ることになる。
 20チームによる全国選手権(1部)リーグは、各チーム1回戦総当たり。1チーム19試合で8位まで順位を決める。このシーズンは、バスコ・ダ・ガマ(リオデジャネイロ州)が19試合で勝点26のトップ。ついでボタフォゴ(リオデジャネイロ州)、ブラガンチーノ(サンパウロ州)が勝点24で続き、フラメンゴ(リオデジャネイロ州)が勝点22。そして残り4チームはクルゼイロ(ミナス・ジェライス州)、サントス(サンパウロ州)、コリンチャンス(サンパウロ州)、サンパウロ(サンパウロ州)が勝点21で並んだ。
 トヨタカップに勝ったサンパウロは、この全国選手権の期間中はリベルタドレース杯(南米クラブNo.1を決める大会)に全力を注ぎ、日程の重なるときは全国選手権へ2軍チームを送る状態だった。フラメンゴは1次リーグの最終戦でインテルナショナルを破っての、かろうじての8位以内確保だった。
 この8チームがそれぞれ4チームずつ、A組=バスコ・ダ・ガマ、フラメンゴ、サントス、サンパウロ。B組=ボタフォゴ、ブラガンチーノ、クルゼイロ、コリンチャンスに分かれて、今度は2回戦総当たりのグループ・リーグを行う。A組ではフラメンゴが7勝点、B組ではボタフォゴが9勝点でトップに立ち、同じリオ勢同士のタイトル争いとなった。
 20チームによる1回戦総当たり、さらに上位8チームによる準決勝リーグ、合計1チーム25試合ののち、2チームによる優勝決定という、いわば二重構造になっている。準決勝リーグの8チームに入ると、それまでの勝敗は白紙に戻される。この年の1次リーグではバスコが最も安定した力を見せていたが、最後の準決勝リーグでわずか1勝点の差でA組2位となり、決勝進出を逃している。サンパウロが前述のようにリベルタドーレス杯に力を注いだこともあって、92年のブラジルで「最もいいチームはサンパウロ、全国選手権でのベストはバスコ・ダ・ガマ、そしてチャンピオンはフラメンゴ」というような評価が生まれている。
 ブラジルNo.1を決める全国選手権が必ずしも真のベストチームを決めることにならないのだという。

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