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サンパウロとリオの州リーグ

 ブラジル国内試合の日程で、全国選手権と並んで大きなパートを占めるのが、各州のチャンピオンシップ、州選手権だ。  日本の22倍もある大きな国ブラジルは、25の州と2地区から成り立っているが、このうち小さな3州と2地区を除く22の州でサッカーの州選手権は行われている。たいていの州選手権は2部リーグに分かれているが、3部制をとるところもある。
 こうしたリーグはプロフェッショナルだけの参加だから、ずいぶん多くのプロフェッショナル・クラブがあることになり、その数は300から600といわれている。 ワールドカップ3回優勝、世界のサッカー界の頂点の一つブラジルで、プロのクラブの数が「〜といわれている」といういい方はおかしい。しかしこれは、私の不勉強というだけでなく、この国にはサッカーのハンドブックもなければ年鑑もなく、公式のチーム住所録もないとまでいわれていて、正確な数字はよくわからないとされているからだ。
 その州リーグが、例えばサンパウロ州選手権の場合を見ると、28チームを14チームずつ2グループに分け、まず各グループ内で2回戦総当たり(1チーム26試合)を行い、A組の上位6チーム、B組の上位2チームが準決勝へ進出。これら8チームを再び2組(4チーム)に分け、ここでまた各グループ内2回戦総当たり(1チーム6試合)のリーグを行い、各組のトップが優勝を賭けて2回戦の決勝を行う。
 サンパウロ州は人口3,200万人、その面積は英国よりもまだ少し大きいくらいで、サッカーもブラジルで最も速く普及したところ。
 サンパウロ州と並んで古くからサッカーの盛んなリオデジャネイロ州でも1部12チームによる選手権リーグがあるが、ここでは、まず1回戦総当たりの前期を行い、その優勝チームは決勝への出場権を持つ。下位2チームは2部の上位2チームと入れ替わり。そして後期は再び1回戦総当たりのリーグ。この後期の優勝チームと、前期の優勝チームとでチャンピオンを争う。もし、前後期の勝者が同じときは、決勝は行われない。また2チーム以外に、前後期を通じて通算勝点が上のチームがあれば、そのチームを加えた3チームによる決定戦を行う。
 こうした州リーグを行っている22州のなかで、ビッグクラブやトップ・プレーヤーのいるのは、サンパウロ、リオデジャネイロをはじめミナス・ジェライス、リオ・グランデ・ド・スル、パラナ、バイア、ペルナンブコなど合計7州に集中している。
 これ以外の小さな州のリーグや、またこれら7州でも下部リーグのプレーヤーは、プロフェッショナルといってもごく低い報酬でプレーし、たいていは自分の仕事を、サッカーのほかにも持っていなければ生活できない現状となっている。

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