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構造不況からの脱皮

 州の選手権、全国選手権の仕組みを見て感じるのは、単純な総当たりリーグだけでなく上位チームによる決定戦を行うことだ。これは上位同士の対戦を多くすることによる入場料収入の増加を図るものだろうが、それだけに、リーグそのものの権威が低いともいえる。
 リーグというのはグループの意味で、もともと同じ志を持ったもの、同じレベルのものの集まりというのだから、格差があればリーグの再編成を考えるべきだろう。だが、なかなか試合のやり方やリーグの編成を変えるまでにはなっていない。
 チーム力に差のある対戦は、試合を見にゆく意欲を失わせ、観客の減少は選手のプレーにも影響し、それがまた観客の減少へと悪循環になっている。
 かつて世界のトップに立ったブラジルのサッカーは、国の経済の低下とともに長い停滞期に入っている。その構造革命は、サッカー協会の改組を含め、きわめて難しいとうい。
 しかし、彼らの誇るモニュメント「マラカナ・スタジアム」をリフォームし、美しい姿を取り戻すことは、もう一度、自らの誇りを回復することだと思う。  メッカを甦らせることで、ブラジルが構造不況からの脱皮の一歩を踏み出してほしいものだ。

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