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11年から15チーム

 現在のプロフェシッョナル・リーグは15チーム。シーズンを3期に分け、まず前期は5チームずつ3組に分かれて、それぞれリーグ戦、次いで、後期(FINIZCTION)が全チームの総当たり、そして、前後期の成績から上位8チームを残し、この8チームのリーグ戦によって優勝を決める。

 来日するナシオナル・メデリンは、昨年のリーグで前期優勝、前後期合計でもトップとなり、ベスト8による最終リーグでミリョナリオスに抜かれて2位。ミリョナリオスとともに、リベルタドーレス杯に参加し、強敵を次々に破って優勝したのだった。

 プロリーグに加盟しているチームは、
● ボゴタ市(人口/405万人、首都)=ミリョナリオス、サンタ・フェ
● バランキリャ市(83万人、カリブ海岸)=フニオール、スポルティング
● メデリン市(144万人、アンティアキーア州)=ナシオナル、デポルティボ・インデペンディエンテ
● カリ市(125万人、パリュデルカウカ州)アメリカ・カリ、デポルティボ・カリ
● サンタマルタ市(18万人、カリブ海岸)=マグダレーナ
● マニサレス市(27万人、カルダス州)=カルダス
● ペレイラ市(25万人)=ペレイラ
● ブカラマンガ市(39万人)=ブカラマンガ
● アルメニア市(20万人)=キンディオ
● クークタ市(36万人)=クークタ
● イパゲ市(27万人、トリマ州)=トリマにそれぞれ本拠を置いている。

 ボゴタ市は標高2610メートルで、初めてこの地に足を踏み入れた人は、急いで歩くとイキ切れをするといい、アルゼンチンやブラジル、ウルグアイなどの強豪チームも、ボゴタで試合をすると高度の影響を受けるため実力を発揮できないという。その他の都市も、メデリンが1583メートル、カリが1000メートルで、多くは1000〜1500メートルの間のところが多い。これは熱帯地方にあるコロンビアで、アンデス山脈の北端に近いこれらの高地が、比較的涼しく暮しやすいため、古くから、こうした町が発達したことによる(メデリン市は平均気温21度C、ボゴタ市は14度C)。

 日本の3倍の国土に2800万人が住むコロンビア。プロチームの本拠地を地図で眺め、ひとつひとつ押さえて行くだけで、地形の複雑さが読み取れる。そして、ここにはスペイン系を主とする欧州人、古くからのインディオ、アフリカからの黒人と、多種の民族が住み、それぞれの混血も生まれて多様な人種構成となっている。

 こうした地域を背にしたプロリーグは40年歴史を経たが、結成当時のミリョナリオスの成功によって、伝統的ともなった輸入選手の活躍は現在にも続いている。

 1昨年のリベルタドーレス杯で決勝に進みながら、ウルグアイのぺニャロールに敗れ、3度続けてタイトルの挑戦に失敗したアメリカ・カリには、パラグアイのカバニャスとベタグリア、それに、アルゼンチンのガレカが働いていた。

 今年のリーグ開幕時にも、アルゼンチンからの20人を筆頭に、パラグアイ(4人)、ブラジル(3人)、ウルグアイ(2人)、ペルー(1人)と5か国から30人が在籍した。

 選手だけでなく、コーチもアルゼンチン(2人)、ブラジル(1人)、パラグアイ(1人)、ユーゴ(1人)と5人が、リーグの3分の1にあたる5チームをそれぞれ指揮している。

 こんなプロのクラブが、少年育成に積極的になったのが、1986年のW杯誘致が決まってからだ。

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