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80年欧州選手権に出場

 1980年の欧州選手権で、ギリシャの代表チームがソ連、ハンガリー、フィンランドを押さえてイタリアでのベスト8大会に出場したのだが、私はこのとき、初めてギリシャ代表チームの試合をナマで見た。
 西ドイツを相手にオフサイドトラップを仕掛け、積極的に攻めて(すでに西ドイツはグループ1位を決めたあとだったが)、“世界に冠たる”サッカー大国の代表をタジタジとさせるところが面白かった。アンデゾグルーのシュートがポストに跳ね返ったが、もし入っていれば大量点につながったかもしれず、FWの選手の速さと粘っこさが印象に残った。

 71年にクラブが欧州の檜舞台、その10年後に代表チームが欧州のベスト8、そしてまた10年を経て、今度はワールドカップへの進出。決して早いペースではないが、ギリシャのサッカーはたゆむことなく前進を続けているようだ。
 人口1千万余、はるか昔にオリンピックというスポーツの祭典を創り、現代人に大きい遺産を残したギリシャが、長い伝統文化を背に、どのようなサッカーを発展させていくのか。その一端を米国という、新しいサッカーの舞台で見ることができるのは、まことに幸いなことだと思う。


(サッカーダイジェスト 1992年vol.68「蹴球その国・人・歩」)

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