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ユースの連続優勝
クラブレベルでのポルトガルの成功に驚かされた世界は、次いでこの国のユース(20歳以下)の伸張に感嘆する。
1989年にサウジアラビアで開かれた第7回ワールドユースで、ポルトガルは初優勝を遂げる。
1977年に始まったこの大会の優勝チームと準優勝チームは、
▽77年=ソ連、メキシコ
▽79年=アルゼンチン、ソ連
▽81年=西ドイツ、カタール
▽83年=ブラジル、アルゼンチン
▽85年=ブラジル、スペイン
▽87年=ユーゴ、西ドイツ
▽89年=ポルトガル、ナイジェリア
▽91年=ポルトガル、ブラジル
ほとんどがワールドカップやオリンピックの常連といってよいサッカー大国。その中へポルトガルが仲間入りしたといえよう。
ユース年齢では、各国とも個性的な技術を伸ばすことに重点を置くから、必ずしも優勝が最良かどうかは分からないが、それにしても個人の力量が高くなければ地域予選を勝ち抜き、本大会の決勝にまで残ることはできまい。人口1千万のこの小さな国が、これほど若いタレントを揃えるようになったここしばらくの強化策について、私たちは改めて勉強しなければなるまい。
かつてカトリックの伝道師を送り、鉄砲を伝え、またカステーラやメリヤスなどの言葉と品を残したポルトガルは、400年後のいまも日本サッカーのヒントを持っているようだ。
(サッカーダイジェスト 1991年10月号「蹴球その国・人・歩」)