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効率のいいブラジル ドイツ、数は打てどもゴールは遠く
アジアカップとオリンピックが終わり、各地から2006年の予選の成績が伝えられてくるようになりました。そのスコアが新聞紙上に見られるようになったのは、まことにありがたいこと。ドイツでの2度目の大会をぜひ、この目で見たいとの思いが高まるこのごろです。
後半初め、ノイピルのFK
さて、2002年の決勝、ブラジルvsドイツ(6月30日・横浜国際)は前半を終わって0−0。ドイツのキックオフで始まったセカンドハーフで、最初にヒヤリとしたのはブラジル側だった。
左CKをノイビルが蹴り、ゴール正面に落ちるボールをイエレミースがダイビングするように前へ跳んでヘディングした。セントラルDFのエジミウソンが足に当てて防いだ。
その2分後に、ノイビルのFKがあった。ゴール正面、やや右寄り30メートルでシュナイダーが倒され、ノイビルが右足で蹴った。3人の壁の内側を通り、スライスしたボールは、懸命にジャンプしたGKマルコスの左手に当たって、右ポストをたたいた。素晴らしいシュートだった。GKから見れば、ぎりぎりの高さ、もう10センチ上をボールが飛んでいたら、タッチは難しかっただろう。
ブラジル、CKからヘディング
ブラジルはこのあとすぐに左CKからロナウジーニョがロベカルに渡し、彼のクロスをジウベルト・シウバがヘッド。GKカーンが防いだ。前半からの数多くのドイツ側のクロスがDFにクリアされたのに対して、ブラジルのクロス(CKを含む)がチャンスとなるのは、やはりキックの精度なのか――。カーンのポジショニングで防いではいるが…。
ドイツもシュートする。54分クローゼ、57分ハマンと。ただし、枠内へとはいかない。惜しかったのは63分のシュナイダーのパス。ペナルティー・エリア手前付近で右へ流れたあと反転して内に入り、エリア内にスルーパスを送った。ノイビルがボールに寄ったが、わずかに届かず。そのまま転がってGKマルコスが捕ったが、もしノイビルがタッチしていれば、マルコスには厄介なボールだったろう。攻めの作り方としてはまことにクレバーだが、そうは言ってもその何センチかの差でボールに触れるが、触れないかが、こういう場面でのボールを蹴る技術。仲間の処理しやすい速さのボールを処理しやすいポイントに送り込む、キックの精度といえる。
攻勢には出るが、あと一息の何かに欠けるドイツ。数は少ないが、決定的なチャンスを作り、カーンに防がれてきたブラジルが、ついにゴールを奪う。67分、後半22分のことだった。
(週刊サッカーマガジン2004年9月28日号)